10.『HIKARI』
「東日本大震災があった2011年に、知り合いの方がキッカケを作ってくださり、東北地方を訪れることがありました。そして、ある方の計らいで、東北少年院に慰問させていただく機会があったんです。訪れる前は、どれほど鋭い目つきをした少年・少女たちがいるんだろう……という勝手な先入観があり、背筋が伸びる思いというか、ピリピリした緊張感を持っていました。でも、現実はそうではなかった。みんな、驚くほど純粋な目をしていて、すごく真っすぐだったんです。そのときに聞いた話なんですが、少年刑務所に入る7割から8割の少年・少女たちは、家庭環境に何か問題を抱えているのだそうです。それを聞いて、僕の胸の奥が熱く、痛くなったことを覚えています。少年・少女たちのすごく純粋な目を忘れることができず、さらにもし自分が彼らの立場だったら……と思うと、居ても立ってもいられなくなり、この曲を送らせていただきました。もちろん罪を犯してしまったことに対しては、その罪は償わなければいけないと思うんですけれど、それでも少しでも彼らが希望の光を感じられるキッカケを作りたかった。そういう想いから、この曲が生まれました。被害を受けたご遺族やご家族の方からしてみれば、もちろん受け入れがたいことであり、許せないことだと思いますが、そういう理由があって少年院に入る子たちがいるという現実も僕自身が受け止め、このアルバムのテーマである“愛”という部分では必要な曲だと感じ、収録させていただきました」