HIRO
EXILEの絶頂を創って、ソロをスタートさせて役者も始めていろいろ喰らって、次の段階に来ているTAKAHIROには、すごくたくさんの可能性を感じている。
TAKAHIRO
右も左もまったくわからなかったぶん、首を縦に振ってついていくと決めたからには、HIROさんやメンバーが決めたことに対して、とにかく何がなんでもやろうと決めていた。
TAKAHIRO(以下TA):HIROさん、今日は撮影と対談ありがとうございます!! 今年の9月22日に、EXILEに加入して9周年、10年目に突入するにあたり、新たな一歩を踏み出すために『TAKAHIRO the VISIONALUX』という、これまでの活動をまとめた作品集を制作させていただきました。
HIRO(以下H):TAKAHIROって、EXILE、ソロ、ACE OF SPADES、役者……とさまざまな活動をしていて、表現者としてたくさんの顔を持っているから、10年目に突入するタイミングでいったん集大成になる作品を出したらどうかなって。これまでのTAKAHIROというものに一区切り打とう、と。そしてここから“New TAKAHIRO”を表現していこうと俺が提案したことが、この作品の誕生のキッカケで。だから決してTAKAHIROだけの提案ではなく、たくさんのスタッフやTAKAHIRO本人の想いが詰まった作品なんだよね。TAKAHIROが自分大好き君だから制作したわけでもないということを、一言この場をお借りしてお伝えしておこうかと(笑)。
TA:あははははははは(爆笑)。すみません、助かります(笑)。それこそEXILEとしてはもちろん、ソロや役者、ACE OF SPADES、楽曲やタイアップ然り、本当にありがたいお話ばかりをいただいてきましたし経験させていただいてきたんですが、このままだとファンの方以外の世間の方にはきっと、僕が目指している未来像やヴィジョンというものが明確に伝わらないのかな、と。だから、これから取り組んでいきたい音楽ややるべきこと、方向性を定めていくうえで、これまでの活動を棲み分けして集約することで、ひとつの僕の説明書のような作品になったと思います。
H:っていうか、もう10年目に突入するんだね。早いね。
TA:早かったようで長かったような……不思議な感覚ですね。今だからお聞きしたいんですが、オーディションのときの僕の印象はどのようなものだったんですか?
H:とにかく“華”が抜群にあった。それに、声がすごくよかったんだよね。俺のなかで“華”っていうものは絶対的に必要な要素だったし、TAKAHIROを見ていて、歌は練習すれば絶対に歌えるようになるだろうっていう根拠のない自信があった。だから、TAKAHIROが加入したら、絶対に間違いないなって。
TA:ありがとうございます。
H:そこからEXILEのヴォーカルになって、TAKAHIROとはこれまでいいことも悪いことすべて含めて苦楽を共に経験してきて。歳は全然違うけれど、ピンチをチャンスに変えるためのあのオーディションから、俺がパフォーマーを引退するときまでずっと一緒に過ごしてきたから、本当に一言では表現できないくらいの想いがあるし、偉そうな意味ではなく、この場では語り尽くせないくらいすごく成長したと思う。それにやっぱりEXILEに加入する時点で、普通ではなかったじゃない?だって、加入した途端、いきなりゴールデンの番組に出演だったし、TAKAHIROにとってはそれまでいち視聴者として経験していたような環境が当たり前になるというように、取り巻く環境が180度ガラッと変わったから、当時は相当なプレッシャーがあったんじゃないかな。
TA:そうかもしれないですね。そのときすでにEXILEはミリオンアーティストでしたし、歌唱はなかったけれど加入した3日後にいきなり『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』の生放送でしたし……(笑)。
H:(笑)。TAKAHIROはそれまでプロとして活動していた人間ではなく普通の子だったし、そんな普通の子がEXILEにいきなりポンっと入ってATSUSHIの隣で歌うわけだから、そういう意味では規格外のスターであり、規格外なスタートを切ったんだよね。わけもわからないまま、だけどとにかくがむしゃらに取り組んで、何度も大きな壁にぶつかって葛藤しては、その壁をクリアして……ということをずっと繰り返しながら成長してきたと思う。俺もそんなTAKAHIROと一緒に過ごさせてもらって勉強になることがたくさんあったし、共に乗り越えてきたという想いがすごく大きい。でも最近本当に感じるんだけど、30歳を迎えてようやく“EXILE”という大きな器になれたな、と。偉そうに聞こえたらすみません…(笑)。
TA:いやいやいや(笑)。本当にありがとうございます。うれしいです!!
H:EXILEってすごく大切な存在で、すごく大きな存在。そんな場所にポンって入ってきて、EXILEで夢を叶えながら、かつ自分のキャラも出しながら、EXILEという器に自分を広げていく作業はすさまじく大変だったと思う。新人アーティストとしてデビューすることとはまったく違う環境だし、ましてやいちばん年下だったじゃない?だからTAKAHIROは、本当に普通では絶対に味わえないような環境で育ったんだよね。EXILEは世代も歳もバラバラだけど、TAKAHIROやAKIRAが加入してから、お互いがお互いを通して成長しながら、今日までのEXILEが創られていった印象があって。“EXILE”という器をこの10年で満たしたぶん、これからが本当にTAKAHIROにとっての新たなスタートになるんだろうなっていうことが、この作品には表現されていると俺は思うんだけど……、わかりづらいかな?
TA:全然!!
H:振り返ると、EXILEの器を満たす前にいきなり14人になったり、TAKAHIROにとっては相当過激だったんじゃないか、と。だって、成長しなきゃいけない連続で、追いつかなければいけない作業がすさまじくて、精神面でも休む暇が全然なかったと思うんだよね。でも、実力や華はもちろんだけど、俺を含めメンバー全員が、TAKAHIROの持ち前のいい意味でのへっちゃら感や楽観的な印象をオーディションのときに感じたから、みんな受け入れたんだろうなって。いきなりATSUSHIの横で歌うとか普通はできないし、TAKAHIROの進化は、俺が語るのも申し訳ないくらいものすごいスピードだったと思う。
TA:ありがとうございます。振り返ってみると、右も左もまったくわからなかったぶん、首を縦に振ってついていくと決めたからには、HIROさんやメンバーが決めたことに対して、とにかく何がなんでもやろうと決めていたんです。がむしゃらにやっていくうちに、自分が気づかないところでいつの間にか実力がついていたり、手ごたえを感じる感覚が多くなっていって。だからこそ、いかに心折れずに負けずについていけるかっていうところが、最初の課題だったように思いますね。もちろん、実力や技術、表現力や立ち居振る舞いすべてにおいてなかなか追いついていかないぶん、何度もへこみましたし、「ああすればよかった」「なんでああしなかったんだろう」って後悔することや反省することもたくさんありました。そんな試行錯誤の毎日を繰り返していくなかで、HIROさんに相当な近道をさせていただいたにもかかわらず、その近道をちゃんと真っ直ぐ歩けていたかっていうと歩けていなかった。気づいてみたら、自分的にはかなりの遠回りをしてしまったな、と。こうして集大成である作品集を作らせていただきながら自分の活動を一から振り返ることで、自分のなかでも整理できますし、これからはただついていったり人の判断に乗っかるだけではなく、そのなかで自分のやるべきことや、やることでどういうふうに恩返しをしていけるのかということを、もっときちんと意識していきたいなと思っています。でも、へこんだり反省したりくじけそうになったり、自分の欲が出たり……ということの繰り返しのおかげで、当時よりは少し強くなれたのかなという気がしますね。
H:いや、TAKAHIROはめっちゃ強いと思うよ(笑)。
TA:(笑)。
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